はじめに

このページをご覧になっておられる方のほとんどがパソコンでアクセスしておられ、Windowsユーザで、AT互換機を使用されているかと思います。そのような事情の中で、私はNECのPC-98(ぴーしーきゅーはち)[*]シリーズを使用しています。

最近パソコンをはじめられた方にPC-98と言っても、ほとんどわかっていただけないかもしれません。PC-98とはWindows95発売以前まで、「国民機」とまで呼ばれるほど広く普及していたNECのパソコンです。アーキテクチャ[1]が現在主流のPC/AT互換機[2]とは異なり、OSなどはPC-98用に改良したものを使用します。PC-98用のWindows95やWindows98、Windows98 Secand Edition,Windows2000も販売されており、使う分には不自由のないマシンです。

パソコン=AT互換機という状況の中、なぜ私はPC-98を使用しているのか。答えは簡単。「何も不自由していないし、買い替える必要性を感じないから」です。現在doiが使用しているマシンはPC-9821V16/S5Pという機種です。スペックはPentium166MHz、メモリ32MB、ハードディスク1.6GBという現行のAT互換機に比べればかなり見劣りするスペックかもしれません。

最近パソコンを購入した初心者の人(CeleronやPentiumII,PentiumIII搭載のマシンを使用している)に、「ノーマルのペンティアムなんかじゃ遅くて使い物にならないでしょう。」などと寝ぼけたこと[3]を言われることがあります。逆に、そう言う人にお聞きしたい。「そんな高スペックのマシンじゃ、持て余して大変じゃないですか?」と。

高いスペックを要求するソフトとして「ゲーム」があります。僕は、あまりゲームには興味がありません。ですから、3D対応のビデオボードも必要ありませんし、高スペックなCPUも必要ありません。第一、ゲームをやりたければコンシュマー機を使用したほうがよっぽど良いですし、Windowsのように「不正な処理」でプログラムが停止するなどの悲劇もないでしょう。

また、パソコンで音楽を聴くなどということにもあまり興味がありません。いくらパソコンの処理速度が向上しても、専用のオーディオ機には到底かなわないでしょう。僕は、日常の使用はもちろん、Visual Basicなどのプログラム製作でも、さほどストレスを感じません。

現在在学中の専門学校では、Pentium200MHzのマシンやPentiumII333MHzなどのマシンを使用する機会がありますが、体感的にはほとんど違いはありません。今、新しくパソコンを買い求めている人の多くが「インターネット(WWW,E-mail)」を目的としてパソコンを買っています。しかし、CeleronやPentiumII,PentiumIIIなどのマシンはそれらの用途に対しては過剰スペックとしか言いようがありません。少なくとも、Pentium166MHz メモリ32MBという環境において、Windows98にIE5.01を入れて使用しても何ら不満を感じていないというのが実情です。

パソコンに対して、過度な期待や「何でもできる魔法の箱」などという幻想を持たなければ、最新パソコンを使用しなければならない理由などありません。

現在販売されているマシンがAT互換機かiMacという状況です。PC-98の新機種も発売されていますが、資産継承という目的で従来の機種とCPUスペックを変えただけのマシンが発売されるだけ。しかし、そのような状況の中でPC-98ユーザにとって一つ良い事があります。それはPC-98用の中古パーツ[4]やジャンクパーツ[5]が激安で手に入ることです。実際、PC-98用のSCSIボードをジャンクにて380円で入手しましたし、PC-9821Ap/U2というパソコンにいたっては、フリーマーケットの無料ジャンクコーナーで入手することができました。(笑)

私は恐らく、この先もPC-98を使いつづけるでしょう。日常の使用には何不自由ありませんし、現行品は明らかに過剰スペック。使えるものは使いつづける、それが正しいパソコンユーザのあり方ではないでしょうか?


Foot Notes

ぴーしーきゅーはち
ウチの学校のF野先生はPC-98のことを「きゅっぱち」と呼ぶのだが、それを真似してPC-98だろうがWindows98だろうが全部「きゅっぱち」と呼ぶ生徒が増殖している。「きゅっぱちを入れなおしたい」(「Windows98を入れなおしたい」の意)と言われて困惑したこと数知れず。


Last modified: 1999/11/27
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